霊的修行者のまわり道日記

一般社団法人契山館の会員のブログです。このブログは個人の理解の範囲で書いており、会の公式な見解ではありません。

風の中から ~お帰り寅さん~

 先日、シリーズ50作目となる『男はつらいよ お帰り寅さん』を観てきました。子供の頃、 よくテレビで放送されていて、観る機会もあったのですが、どこか演歌調の型にはまった作風が古臭く感じられて、敬遠してしまっていました。
 それからしばらく時が経ち、主演の渥美清が亡くなった頃なので、二十歳も少し過ぎた頃だと思いますが、改めて観なおした所、寅さんの江戸堅気のさっぱりとした心意気、ホロリと滲ませる人情の温かさ、茶の間での人々の賑わい、そんなほんの数十年前には当たり前のようにあった日本人の日常風景が、とても懐かしく愛おしく見えてきて、その魅力にたちまちはまってしまいました。世の中には、大人になってみないと、その良さが分からないものが、どうもあるようです。


 そんな寅さんの新作が公開されると言うのですから、観に行かないわけには参りません。期待に胸を膨らませて、いざ鑑賞してみると、とら屋の家族も皆歳をとり、甥っ子も大人になり、それぞれに問題を抱えて、あれこれ思い悩みながらも、何とか生きています。
 どうも、あのいつもの良く晴れた夏の昼下がりの柴又の風景とは、少し異なる感じがします。主演の渥美清は亡くなっており、 劇中の寅さんは、どこか遠くに旅に行っていて不在という設定となっています。
 そのためか、映像全編に、大きな心の寄るべとなる、頼るべき寅さんの姿を失った人々の不安と哀しみが滲んでいて、あのいつもの後味の清々しい『男はつらいよ』は、 もうここには存在しないことを知りました。


 それでも時折、過去の作品の数々の名場面からスクリーン一杯に、寅さんの在りし日の躍動が映し出されると、自分の心の中の寅さんの鮮烈な心象が呼び覚まされて、何度もウルっと来てしまいました。
 中でも、妹のさくらが、寅さんを柴又駅のホームで見送る場面が、特に印象的でした。寅さんの姿が、電車とともに画面の奥に消えていくのを眺めながら、私たち現代人は、良き人や良き物事と一緒に歩んできたはずなのに、いつしかそれらは私たちの元を静かに去り、物質的には豊かではあるものの、どこか荒涼とした世界を生きている現実を痛感したのでした。


 人生の辛く苦しい場面に直面したとき、人は自分の弱さと向き合い、くじけそうになり、そして寅さんのような強く勇気を与えてくれる存在を求めます。でも現実には、寅さんはおりません。
 そんな時人は、身近な家族、友人の名を呼ぶでしょうか。信仰を持つ人であれば、神の名を呼ぶでしょうか。身近な人も信仰もなければ、一人で向き合うしかないのでしょうか。突き詰めれば、人生は孤独であるとの結論に至るのかもしれません。


 でも、霊媒である水波一郎師の著書によれば、実はそんなことはないようです。
 人はどんな人生を歩もうとも、ただ一人で生きているのではなく、人生を遠くから見守る寅さんのような存在が、どんな人にも必ず一人おられるのだそうです。そして、その方は、あなたの本当の幸福を願って、あなたから呼びかけられるのを、心待ちにしておられるのだそうです。

二本足の霊魂: 人間と霊魂の歴史 (MyISBN - デザインエッグ社)

二本足の霊魂: 人間と霊魂の歴史 (MyISBN - デザインエッグ社)

  • 作者:水波一郎
  • 出版社/メーカー: デザインエッグ社
  • 発売日: 2018/12/03
  • メディア: オンデマンド (ペーパーバック)
 
二本足の霊魂: 人間と霊魂の歴史

二本足の霊魂: 人間と霊魂の歴史

 

  そうした、一人一人の人生を見守る存在を、遣わせる仕組みをお造りになられたのは、かの有名なイエス・ キリストであるのだそうです。霊魂の世界では、イエス・ キリストとは、一民族や一宗教を超えた、人類共通の偉大な指導者であることを、本書は教えてくれます。詳しくは、本書をお読みください。


 最後に、寅さんの台詞から。

困った事があったらな
風に向かって俺の名前を呼べ
おじさんどこからでも
飛んできてやるからな

 

 人はどんな人生を歩んでも、どんなに不幸に打ちひしがれていても、どんなに孤独のどん底にいたとしても、決して一人ではありません。
 あなたを見守る存在も、あなたの呼び声を、風の中から待っておられます。

 

 ぜひ霊魂学の門を叩き、あなたを見守る存在のことを、深く知ってください。
 その方は、あなたが人生の本当の幸福に至る道を、知っておられるのですから。