霊的修行者のまわり道日記

一般社団法人契山館の会員のブログです。このブログは個人の理解の範囲で書いており、会の公式な見解ではありません。

別れとの再会

今日、午後休暇をとって、同じく新任のなかでもフレッシュなKrt先生と一緒に難波までラーメンを食べに行った。教育について語り合い、思いもかけない教育実習生の同期のKdt君とのつながりもあったり、充実した時を過ごした。

家に帰って、彼の雑誌掲載小説を読んでみた。父との別れを描いた小説だったが、その死を前にして自己と対話する姿に、僕の兄との別れを思い出した。彼の小説の特徴は、さわやかで透明感のある彼のリズミカルな文体にある。その文体で、父との別れに際した心理の変化が、重くなりがちなテーマながら、軽やかに描き出されているのを読み、僕も、こんな風に一度、兄の件を気持ちを整理してみたい気持ちにさせられた。

今。今だから。今だからこそ、何か違った発見があるかもしれない。僕の人生を誠実に生きるとは、こうしたことに真剣に向き合うことなのだろう。兄が歩もうと思いながらも歩むことの出来なかった人生を、ともに生きようと心に誓い、ひとりぼっちのさみしさも忘れることのできた、あの不思議な季節を、作品にできるかもしれない。そして、別れを通じて考えた、生きることの意味へのかすかな目覚めの体験も、表現することができるかもしれない。