三時間の長さに途中眠気に襲われる場面もあったけれども、観始めてしばらくすると、あの小さな体に詰まった燃えるような情熱と、鉄のような信念が伝わってきて、ガンジーのことを好きになった。
ガンジーといえば、非暴力がよく知られていたが、宗教の融和を主張していたことは初めて知った。回教徒に自分の子どもを殺された、ヒンズー教の父親が、報復でイスラムの子どもを殺したことを告白し、地獄に行くべき自らの運命を嘆く。そんな彼へのガンジーの言葉に震えた。
『助かる方法はまだある。親の無い子供を拾い、あなたの子として育てなさい。あなたはイスラム教徒の子供を殺してしまったなら、イスラム教徒の子供をイスラム教徒として育てなさい。』
残酷な現実にも決して揺らぐことのない信念。法廷における高潔な態度。その身が砕けることも厭わない命がけの行動。優しさはいつも言動から溢れている。そんなガンジーの姿に学びたい。
ガンジーは、人々の心に希望をもたらす偉大な人類の先生だ。人類の本当の敵は人々の心の中にあることを見抜いていたガンジーが、明確な敵が見えない現代に生きていたらどんな運動を展開しただろう。ガンジーのような、人びとにとっての真の先生が、人びとの目の前から去って久しい。学ぶべき師を持たずあてもなく漂流する現代の哀れな人類は、一体この先どこに行き着くのだろう。
心に響いた彼の言葉
- 力は肉体的能力から来るものではない それは不屈の意思から 湧き出るものだ
- 満足は努力の中にあって 結果にあるものではない
- 臆病者は決して 道徳的にはなれない
- 土を耕すのを 忘れるということは 自分自身を忘れるということだ